豊富な経験を持つエンジニアを対象

人材獲得競争が激化するモバイル業界
準備金は、2010年10月31日までに同社サイトよりエントリーして採用されたエンジニアのうち、「基準に合った人材」に支給。海外や地方 から応募する人に対して、転職に伴う転居費や必要な機器の購入を支援することなどを趣旨としているという。準備金制度の適用基準は公開されていないが、自 社のサービスを企画・開発・運用できる技術者で、「豊富な経験を持つITエンジニアとして活躍できる人」を対象とするという。
ディー・エヌ・エーは、創業時にネットオークション「ビッダーズ」のシステム開発で失敗を経験する一方、ゲームSNS「モバゲータウン」を優秀な技術者数人がわずか3ヶ月で作り上げた。技術者の重要性を強く認識している企業だ。
その「モバゲータウン」の売り上げは、2010年4-6月期で188億円。2位の「グリー」の約2倍にのぼる。全社の売り上げは242億円。利益率は50%近い。絶好調のうちに激化する人材の獲得競争に乗り出したということだろう。
社長の南場智子氏は、あるインタビューに、
「シリコンバレーでは、アントレプレナー(起業家)やエンジニアのステイタスが異様に高い。弁護士やコンサルタントなんて下のほうですよ」と語り、日本のエンジニアの地位向上の必要性を唱えている。
ネット上には、「バブルじゃないか」「いくらなんでもやりすぎじゃ」という声とともに、「こういう動き(準備金制度)が日本の技術者の給料の向上(適正化)につながればいいな」と歓迎する声が上がっている。